北水協会について

当法人は、明治17年(1884年)10月23日に発会式を行い、北海道における最初の水産団体としてスタートしました。
 創設者は札幌農学校第一期生、北海道庁初代水産課長伊藤一隆です。この頃の北海道沿岸域は、今日では想像もできないほど豊かな資源に恵まれておりましたが、この豊かさに甘えた乱獲や粗製乱造の時代でもありました。彼は、この状態を憂い、これを正すべく水産に対する知識の涵養や水産科学の振興を計ることが急務であると考え、同憂の士内村鑑三(札幌農学校第二期生)らの協力を得て北水協会を設立しました。
 発足当初は、機関誌「北水協会報告書(創刊号明治18年3月)」、「北海之水産(初刊明治44年1月)」を発行するほか、講演、懇話会を開催し、また、水産製品の改良を計るため各種製品の品評会や共進会、あるいは各種博覧会に本道水産物及び資料の出品を行ってきました。試験事業として、鱈漁業試験の実施、鮭鱒孵化事業の施行、函館水産陳列所の設置等の事業を実施したほか、北海道庁立水産学校の創設や本道の水産組合連合会の結成促進などの活動を行いました。
 その後、明治42年2月社団法人北水協会に組織替えを行い、開道50周年記念博覧会に当たり「北海道水産一覧」などの編纂を行ってきました。
 大正13年5月に財団法人に改組をして、主に水産学術研究団体として活動することとし、翌大正14年から昭和20年まで水産業における人材確保のため、水産学徒の奨学資金給与事業を行ってきましたが、第二次世界大戦後の混乱期には、中止の止む無きに至っております。昭和32年度以降は、水産学術の研究補助・水産改良の奨励、北海道で水産を教え学ぶ学校、生徒への助成などを行っております。
 北水協会は、平成22年(2010年)12月10日に北海道知事より公益財団法人の認定を受けましたが、引き続き北海道水産業の改良発達を図ることを目的とし、助成事業を行っていきます。
 当協会では、資料室を設け、北海道の水産に関する資料・書籍を保存し展示しております。所有する古文書や当協会が出版した機関誌・書籍及び報告書等も公開しております。北水協会資料室に来室してください。